AIによって大きく変化した業界は数多くあります。人事・採用チームでのAI活用はこれまで以上に広がっていますが、そのトレンドは少しずつ変わり始めています。

採用におけるAI:現在の状況

AIはここ数年、人事や採用で使われてきました。業務の一部を効率化する一方、人が担っていた役割を代替する場合もあります。現在の状況を見てみましょう。

  • 履歴書のスクリーニング:AIソフトウェアは履歴書の整理や、職務要件に合う候補者の抽出を支援できます。採用担当者は結果を確認し、自動スクリーニングだけに頼らないことが大切です。
  • チャットボットと候補者サポート:AIチャットボットは、よくある質問への回答、面接の日程調整、応募状況の通知などを行えます。判断や個別の対応が必要な質問には、人がサポートできる体制を残しておく必要があります。
  • AI採用ツール:採用システムは、候補者の調査、履歴書のスクリーニング、候補者の分析を支援できます。結果の質は、使用するデータや、ツールが職務や採用プロセスにどれだけ適しているかによって変わります。
  • AI面接アシスタント:質問を使った面接のシミュレーション、回答の要約、フィードバックの提供などを行うシステムもあります。採用担当者は、システムが候補者をどのように評価するかを確認し、採用判断に使う前に出力を検証する必要があります。

採用におけるAI:2027年に向けたトレンド

一般の人々のAIに対する見方は、1、2年前と比べて否定的になりつつあります。データにもその傾向が表れていますが、人事・採用チームでは今もAIが広く使われています。

1. 労働市場と履歴書スクリーニングの変化

AIによる履歴書スクリーニングは2027年も使われると考えられますが、採用プロセス全体の一部にとどまるでしょう。企業はすでに、履歴書のスクリーニングよりも求人広告の作成にAIを使うことの方が多くなっています。2026年のiHireの調査では、AIを利用している企業のうち、応募者や履歴書のスクリーニングに使っていると回答したのは29.9%でした。

**現在、採用にAIを使っていると回答した企業は24.2%で、2025年の25.9%、2024年の14.7%、2023年の4.9%と比べて変化しています。**つまり、AIの利用は少しずつ減る可能性があります。

AIは現在、候補者の検索、面接日程の調整、定型的な質問への回答、面接内容の要約、候補者と職務のマッチングなどに使われています。今後は、AIが反復的な業務をより多く担い、採用担当者はスキルの評価、候補者との対話、最終的な意思決定に、より集中すると考えるのが妥当でしょう。

仕事は増えるのでしょうか?

その可能性はありますが、2027年について確実なことは言えません。世界経済フォーラムは、AIだけでなくさまざまな変化によって、2030年までに世界で1億7,000万件の雇用が生まれ、9,200万件が失われると予測しています。全体では雇用が増える計算ですが、職種や地域によって増減の割合は異なるでしょう。国際労働機関(ILO)も、AIは多くの仕事を完全になくすより、仕事の内容を変える可能性の方が高いとしています。ただし、影響を受けやすい業務や職種もあります。

2. 逆画像検索ツール

採用担当者は、顔検索を使って、候補者の顔が掲載されている公開・インデックス済みのページを探すことがあります。そこには、職業上のプロフィール、公開された作品、ポートフォリオなどが含まれる場合があります。検索結果には見た目が似た画像と掲載ページへのリンクが表示されますが、その人の身元、経験、資格を確認するものではありません。候補者の私生活を調べる目的で、この種の検索を使うべきではありません。

逆画像検索を使い始めるべき理由をご紹介します。

3. 予測分析:引き続き使われるが、慎重な扱いが必要

AIシステムは、膨大なデータを分析し、特定の職務で成功する可能性が高い候補者を予測することがあります。こうした予測は、採用担当者がより適切な判断を下し、候補者と職務を結び付けるのに役立つ場合があります。技術職の採用では、AIが初期スクリーニングを支援する間に、採用担当者が候補者リストを職務要件と照らし合わせ、面接を調整し、候補者に進捗を伝えることができます。

ただし、予測は不正確な場合があり、過去の採用データに含まれる偏りを繰り返すこともあります。人の判断に置き換えるべきではありません。企業で公平な採用に向けたルールが整備される中、AIの利用も人が確認する必要があります。

4. 履歴書解析における高度な自然言語処理(NLP)

履歴書解析における自然言語処理(NLP)とは、AIを使って履歴書の文章を分析し、スキル、職種、勤務先、期間、学歴などの構造化された情報に変換することです。

履歴書の解析やスクリーニングは、採用分野で引き続き使われているAIの用途です。AIは人が履歴書を読むよりも速く内容を確認し、情報をより迅速かつ正確に見つけられるようになっています。

求職者にとっては、特に自動化されたシステムを通じて応募する場合、履歴書をわかりやすく整理することが重要です。

5. AIによるパーソナライズされた求人の提案

採用プラットフォームは、候補者の資格、職歴、本人が伝えた関心に基づいて、候補者と求人をAIでマッチングできます。こうした提案は関連性の高い機会を見つける助けになりますが、条件に合うすべての求人を網羅するとは限りません。

AIによって仕事探しが簡単になっても、多くの候補者は最良の結果を得るため、AIツールと従来の求人検索や人脈づくりを組み合わせるでしょう。AIが新しい求人情報を十分な速さで網羅できるとは限らないためです。

6. 候補者のリサーチに使うデータツール

採用担当者は、LinkedInなどのプラットフォームで公開されている職業情報を整理するために、データ収集ツールを使うことがあります。この方法には、プライバシー、情報の正確さ、プラットフォームの利用規約に関する課題があります。収集する情報は職務に関連したものに限り、慎重に確認する必要があります。

7. AIを活用した入社時のオンボーディング

AIは、社内情報、方針、研修資料の共有を支援し、新入社員のオンボーディングをサポートできます。

AIアシスタントはチェックリストを使って新入社員を案内し、よくある質問に答えることができます。個別の案内が必要な場合は、マネージャーがサポートできます。

医療やその他の規制対象業界では、オンボーディングの一環として、該当する除外リストを確認する場合があります。自動チェックは業務の助けになりますが、組織は結果を検証し、データを最新の状態に保つ必要があります。

8. 倫理的なAIアルゴリズム

AIの倫理について知っておくべきこと

2027年も、採用における偏りを減らす取り組みを含め、倫理的なAIモデルの開発が続くと考えられます。多様なデータと定期的なチェックは役立ちますが、公平な結果を保証するものではありません。

人による確認や、不公平な結果がないかを調べることが、今後さらに重要になるでしょう。現在のEU AI法のスケジュールでは、採用や選考に使われる高リスクAIシステムに関する規則は、2027年12月2日から適用される予定です。

AIはすでに採用の一部を変えており、その役割は今後も変化していくでしょう。採用担当者には、効率性と公正で慎重な意思決定の両立が求められます。

Author

Julia Mykhailiuk

Marketing Specialist